日本のヘヴィメタルのよさを教えてくれた聖飢魔Ⅱ
日本で好き嫌いはともかくとして、この人たちを知らない人はいないだろう。
少なくともデーモン閣下の事は誰もが認識してると思う。
ぼくは中学時代に聖飢魔Ⅱを知った。
教えてくれたのは、クラスで唯一のクリスチャンの男だった。彼はクリスチャンであるにもかかわらず、熱狂的な聖飢魔Ⅱファンで、要するに神を信じているにもかかわらず、悪魔を崇拝している男だった。
聖飢魔Ⅱは、ビジュアル的には当時すでに人気があったアメリカのロックバンドKissのもろパクリだったが、音楽的にはむしろJudas Priestに近いと感じた。
当時すでにヘヴィメタルを聴き始めていた僕は、聖飢魔Ⅱのカセットテープを借りて、すぐに気に入った。閣下の声の良さもあったが、むしろその哀愁を漂わせるメロディー、悪魔だ殺人だと叫ぶ厨二病的な感性は実際に中学生だったぼくにはしっくりきたのだ。
ミサに行く事はなかったが、悪魔崇拝主義者の友だちから借りたテープはダビングして何度も聴いた。一生懸命歌詞を聴き取ってノートに書き出したものだ。
秘密の花園という曲で、「ロッスンプリン」という歌詞がずっと謎だった、後年知ったのだが、実は「blossom dream」だった。かなりあやふやな書き起こしだったのも、今となってはいい思い出だ。
今でも聖飢魔Ⅱを聞くと、ちょっとした恥ずかしい気分にもなる。
しかし、それ以上に今聴いても、閣下のシャウトと泣きメロには感動させられてしまうのだ。