現代の音と化学変化を起こし続けるケミカル・ブラザーズ
ケミカルブラザーズは昔から有名だった。
ぼくが意識的に音楽を聴きはじめたころには、もう有名だったと思う。
最初はあまり興味がなかった。
雑誌のCUTなんかで写真を見ると、やっぱりかっこいいなって思った。だけど手を出さなかった。
多分、ケミカルブラザーズがすごく流行っていた頃に、ぼくはメタルを聴いていたからだと思う。メタルとケミカルブラザーズは相容れないものだった。
それから、Star Guitar がめちゃくちゃ売れた。j-waveなんかで何度もかかっていた。ぼくはそんなに好きではなかった。こういうのが、一般的にはかっこいいとされているんだろうなとは思った。ミシェル・ゴンドリーが監督したビデオクリップが話題になっていた。だけど、単調なんじゃないかっていう気がした。
そんなぼくがどうしてケミカル・ブラザーズを聴くようになったか。
2007年のフジロックにケミカル・ブラザーズが来たからだ。
フジロックには、いろいろなバンドやグループが訪れる。そこで初めて聴いて好きになるバンドもたくさんある。ケミカル・ブラザーズは、有名バンドだからぜひ聴いておこう。そんな単純な動機だった。
当日、メンバーの2人がステージ上でプレイをしているのを見て、僕は興奮した。DJなのに、ヘッドフォンなしで演奏していた。プレイ内容は忘れてしまった。ただ、たいしたアクションもなく、延々と演奏し続けていただけなのに、めちゃくちゃかっこよかった。それ以来、ケミカル・ブラザーズは、好きなバンドになった。テクノなのか、ヒップホップなのかよくわからない。昔から言われていた通り、デジロックと呼ぶのが正解なのかもしれない
。
ケミカル・ブラザーズは今現在どういう音楽が流行っているのか、意識した音を作ってくる。だけど、いわゆるケミカル・ブラザーズらしい音であることを忘れない。それが彼らの凄いところだ。
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