あふろざむらいの音楽ブログ

おもに音楽について語ります。

真似しようがないファッションリーダーだったビースティ・ボーイズ

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ぼくがはじめてビースティ・ボーイズを聴いたのは、MTVだった。「サボタージュ」という曲のビデオクリップを観て、好きになった。監督はスパイク・ジョーンズ。当時は、スパイク・ジョーンズのことなんか知らなかった。古い刑事ドラマみたいな映像で、本人たちは真面目なんだけどおかしみがある。そういうビデオクリップだ。

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1994年のMTVのビデオミュージックアワードというのがあって、それにもビースティ・ボーイズが出ていた。その年は「サボタージュ」で最優秀ビデオ賞にノミネートされていた。受賞できなかったけれど。会場での演奏もあって、彼らは黒いスーツにサングラスといった出で立ちで現れ「サボタージュ」を演奏した。それはそれでかっこよかった。
ただぼくはビデオクリップのほうが好きだった。

彼らはチベタンフリーダムコンサートという、チベットを助けようというイベントもやっていた。ぼくは、彼らの活動を通じてチベットという国のことを知った。チベット旅行にも行ったほどだ。もちろん、そこにビースティ・ボーイズはいなかったけど。

2007年のフジロックフェスティバルにも登場した。その時は全員スーツ姿で登場し、えらく決まっていた。演奏中、ちょいちょい間違えていた。それが逆に彼らが口パクじゃなくてちゃんとやってるんだなと、ぼくはむしろ嬉しく思った。

彼らの立ち上げたグランドロイヤルというレーベルは、雑誌を出したことがある。リアルタイムで手に入れることはできなかったから、ネットで古書を探して高い金を出して買った。
全部英語で内容は全くわからなかった。ビジュアルも、期待したほどかっこよくはなかった。それでも、ビースティー・ボーイズの出した雑誌を買えたということで満足はしていた。

2012年5月4日、MCAが癌で亡くなった。ぼくにとっては突然の訃報で、驚いた。

残りのメンバーのインタビューなどは見かけることがあったけれど、ニューアルバムは出なかった。もうストックはなかったのかもしれない。
ビースティー・ボーイズは、正式に解散を表明してはいないけれど、もうライブはやらないという。それでいい。1人だけ別のメンバーを入れてビースティー・ボーイズを名乗られても困る。

ビースティ・ボーイズはぼくにヒップホップを教えてくれた。
そして、「かっこいい」の見本でもあった。いわゆるファッションリーダーというやつだ。彼らの着ている洋服を買うとか、そういうことはしなかった。「かっこいい」の見本というのは、そこにいるだけでかっこいいおしゃれな感じとか、都会的な感じを見せてくれたということだ。
ぼくもそういう風になりたいと思ったけれど、いかんせん素材が違いすぎた。
それはともかく、ビースティ・ボーイズに出会って、ぼくは自分の世界が広がった。今でもビースティ・ボーイズの曲は聴くし、やっぱりかっこいいと思う。そして、自分は永遠にああはなれないとも思う。

 

 

ハロー・ナスティ

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